裁きの曠野 [book] [C.J.ボックス]
C.J.ボックス/講談社/お薦め度 ★★★★
ジョー・ピケット・シリーズ第五弾
現代版西部劇!
釣りのガイドが牧場の女主人の嫌がらせに腹を立て彼女を川へ投げ込む。死体も見つからず行方不明。三人の息子、長男と二男の遺産をめぐる反目がエスカレートする。否応なく内輪げんかに巻き込まれるジョー。
一方、邪悪な殺人犯が長男の牧童頭として雇われ、ジョー一家に無言の嫌がらせを始める。
女牧場主の行方、嫌がらせに怯える家族、復讐に燃える殺人犯・・・ジョーを快く思っていない局長、無能な保安官らに不条理を強いられるジョー、ついに堪忍袋の緒が切れてしまう!?
水戸黄門的な筋書きなのだがついつい手にしてしまうシリーズ。猟区管理官を首になったジョーの行く末は次作へ・・・
背後の足音 [book] [ヘニング・マンケル]
ヘニング・マンケル/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
ヴァランダー・シリーズ第七弾
なかなか手が出にくかった一冊。
同僚刑事・スヴェードベリが射殺され、困惑するイースタ署の面々。捜査の最中、扮装した若者三人の射殺死体が発見される。続いて若者三人組の友人がヴァランダーの前で射殺される。一見何のつながりもないように思えた事件がいつしか結びつく。
事件はそれだけで終わらない。結婚式を挙げたばかりのふたりとカメラマンが射殺され、被害者は8人となる。同僚刑事の死にヴァランダーをはじめとする面々は昼夜を問わず捜査に打ち込む。
犯人は誰も知らない情報、パーティー、撮影の場所、をどうやって入手したのだろうか?
一方、スヴェードベリの私生活について何も知らなかったヴァランダー、改めて捜査するなかでスヴェードベリの隠された秘密が徐々に明らかになる。
800頁超えの大作だが読ませます。円熟のシリーズ。
桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 [book] [~'11国内篇]
暴行 [book] ['12-海外篇]
ライアン・デイヴィッド・ヤーン/新潮社/お薦め度 ★★★★
CWA賞最優秀新人賞受賞作
整備士のフランクとスポーツバーの夜勤店長・キャット、車のすれ違い際ふたりの隣人は手を振り合う。ここから始まるパノラマ。
アパートの中庭で暴漢に襲われるキャット。アパートは中庭を囲むように8つの部屋があり、幾人かの隣人がキャットの異変に気づくが警察に通報しない。
それぞれの部屋で繰り広げられるキャットどころでない出来事。出頭命令を受けた息子と寝たきりの母、スワッピングが初めての夫婦、妻子持ちを装うホモ、浮気夫に愛想を尽かし出ていくこと決意する妻・・・加えて国語教師に性的虐待を受けた救急隊員などがパノラマ的に映し出されて物語は進む。
落とし所はどこなのかと読み進むうち、キャットを中庭で発見するフランクが表れ、それぞれの出来事も一応の決着をむかえる。
考えたら怖い話にいくつもの「裏窓」的な要素を加えたプロットがすごい。
ミステリアス・ショーケース [book] ['12-海外篇]
デイヴィッド・ゴードン他/早川書房/お薦め度 ★★★★
ポケミスファンのための短編集!?
昨年大好評を博した「二流小説家」/デイヴィッド・ゴードン、「逃亡のガルヴェストン」/ニック・ピゾラット、CWA賞受賞作「ねじれた文字、めじれた路」/トム・フランクリン、「卵をめぐる祖父の戦争」/デイヴィッド・ベニオフ、MWA賞受賞作「解錠師」/スティーヴ・ハミルトン、「ローラ・フェイとの最後の会話」/トマス・H・クック・・・
まさにミステリアス・ショーケース。本書の「売り」はデイヴィッド・ゴードンの2編だが、ラストのMWA賞最優秀短編賞受賞作「ライラックの香り」/ダグ・アリンが秀逸!?
南北戦争に翻弄される家族を描いた作品。ラストシーンが泣かせる。
早川書房ならではの本書。




奥泉光/文藝春秋/お薦め度 ★★★★

