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黒川博行 ブログトップ

左手首 [book] [黒川博行]

sample37.JPG黒川博行/新潮社/お薦め度 ★★★★

ノワール短編集

ここのところはまっている作家のひとり。大阪弁まるだしのコメディータッチの作品と思いきや、奥田英朗の「最悪」、「邪悪」を思い浮かべてしまう。

どんどんドツボにはまってしまい、自分の能力では対処できないつらい現実に直面したとき、死んでもいいやとヤケを起こすのだろう。破局を通じて心の平安を得るという皮肉な結果。

そんな側面を持つ七つの短編。小市民が対象ならクライムノベル、裏社会が舞台ならノワール。

丁々発止のシノギ、関西裏社会、最後に笑うよその誰か・・・


国境 [book] [黒川博行]

sample28.JPG黒川博行/講談社/お薦め度 ★★★★☆

シリーズ第二弾 疫病神コンビ健在なり!

ケチな詐欺師にニ蝶会が手玉にとられ、なにがなんでもケジメをとれ、と命令された桑原。重機の紹介料三十五万円の稼ぎは、濡れ手に粟のおいしいシノギだったはずの二宮。

身辺が危うくなったケチな詐欺師、趙は北朝鮮に高飛びした。

趙を追うため、通訳を雇いツアーの一行として平壌へ飛ぶふたり。表向きはツアーガイド、日本人の見張り役、の眼をごまかし協力者と連絡をとるためカラオケバーに繰り出す三人。そこで北朝鮮の徹底した監視社会を思い知ることになる。

「どこに金をばら撒いて趙をあぶりだすか、それが勝負の分かれ目になりそうやな」

手かせ足かせの追跡もツアー最終日をむかえる。趙の足取りは平壌から経済特区の羅津・先鋒にあったが、時すでに遅し、ゲームオーバー!

一旦取り付いたら離れない疫病神が簡単にあきらめるわけがない。再び、中国国境を超えようとするふたり。

「合法的に羅津・先鋒にはいるんやないわい、わしとおまえで国境破りや」

シリーズ第一弾同様、テンポのいい展開、テンポのいい大阪弁。北朝鮮を舞台に破天荒な追跡を繰り返すふたり。なんともたのもしい・・・

北朝鮮の殺伐とした風景、厳しい経済状勢を織り交ぜながら物語はクライマックスへとむかう。追跡の仕上げは再び大阪へ・・・

さすが、ミステリチャネル、2001年No.1に輝いた作品だけのことはある。シリーズ第一弾「疫病神」から読んでもよし、本書から読んでもよし!

追伸:桑原のモデルは「やす・きよ」の「やっさん」ではないか!?その風貌、言動・・・そう思ってしまうのはわたしだけだろうか。


疫病神 [book] [黒川博行]

sample13.JPG黒川博行/新潮社/お薦め度 ★★★★☆

シリーズ第一弾。なんとテンポのいい小説か!

もとは解体業者。いまはしがない建設コンサルタントの二宮。そこへ産業廃棄物の中間処理業者から相談が持ち込まれる。

ある大きな処分場計画にかかりっきりになっていたが、ここにきて大きな問題が持ち上がった。その問題とは、行政書士に許可申請書の作成を依頼する段になって、ふいに水利組合が補償金の値上げを通告してきた。同意した三千万円に二千万円上乗せしろというのである。

二宮の仕事は、中心人物の組合長の弱みを探れというもの。成功報酬は五百万円。経費は一日当たり三万円。これで博打の借金が返せると飛びつく。

ヤクザをつかってヤクザを抑える「サバキ」の斡旋で金の亡者、ヤクザの桑原と出くわす。いつしか二宮の仕事に旨みを嗅ぎ取った桑原が強引に加わり、タッグを組むはめになる。二宮にとって桑原は疫病神か!?

建設コンサルタントとヤクザの最強タッグ?を中心に、ゼネコン、コンサルタント、不動産屋、地上げ屋、議員、ヤクザが暗闘を繰り広げる。オール悪役総出演!

テンポのいい大阪弁、テンポのいい展開。結構えげつないことも大阪弁で流し、あっけらかんとしているところがいい。あっと言う間に五百ページあまりを読ませる。

シリーズ第二弾、「国境」がミステリーチャネルのNo.1に輝いたのもうなずける。


破門 [book] [黒川博行]

sample1.jpg黒川博行/KADOKAWA/お薦め度 ★★★★

疫病神シリーズ第五弾

ヤクザの桑原、建設コンサルタントの二宮の疫病神コンビ再結成!?

ヤクザが映画製作のペテンに引っかかる。なんてことだ!桑原も組の若頭も・・・

詐欺師は出資金を持ち逃げ、それを追う疫病神コンビ。話はそれだけでは終わらない、詐欺師の陰で見え隠れする本家筋。

出資金の回収、本家筋との折り合いと丁々発止の展開。最後の最後に表題が・・・

二宮のぼやきが聞こえる「俺はヤクザやない。ヤクザはヤクザ同士で片をつけろや。たとえ5万でも10万でも、おれは国に税金収めてる素っ堅気やぞ・・・」

相変わらず愉しめるシリーズです。


落英 [book] [黒川博行]

sample1.jpg黒川博行/幻冬舎/お薦め度 ★★★★

破天荒な刑事2+1

大阪府警刑事部薬物対策課の桐尾と上坂、シャブのガサ入れでとんでもないお土産をもらう。既に時効を迎えた和歌山の事件で使用された拳銃、トカレフ、を発見する。

二人に下った特命は和歌山県警と連係してトカレフを洗えというものだった。もう一件の射殺事件の時効まで三ケ月、取りあえず半年の専従捜査!?

和歌山南署でふたりと専従捜査にあたるのはひと癖もふた癖もありそうな満井。満井は迷宮入りになった事件の捜査に加わっていた。

体のいい厄介払いとなった3人、彼らが起こすトカレフを使ったヤクザ顔負けの囮捜査、その破天荒ぶりを愉しんでください。


繚乱 [book] [黒川博行]

sample1.jpg黒川博行/毎日新聞社/お薦め度 ★★★★

「悪果」の続編!?

堀内信也:大阪府警を依願退職。現在、無職

伊達誠一:こちらも大阪府警を懲戒免職。現在、ヒラヤマ総業の嘱託調査員。

ふたりは今里刑事課暴力団犯罪対策係刑事、マル暴、時代の相棒。競売専門の不動産会社の嘱託社員・伊達、現調に訪れた東京で、無職で暇を持て余すの堀内と再会、嘱託として再びコンビを組み大阪に舞い戻る。

ふたりが担当する新たな調査物件パチンコ店、債権者は十数社におよび、それらにからむヤクザ、乗っ取り屋、警察OB・・・

複雑に絡む裏の裏を、非合法な手段?で突き止め、大金の臭いをかぎつけるふたり。

絡んだ糸がほどけていくスピード感、漫才コンビのようなキャラ、破天荒な展開が相まった黒川ノワール


螻蛄 [book] [黒川博行]

sample1.jpg黒川博行/新潮社/お薦め度 ★★★★★

疫病神シリーズ第四弾

昨年度、未読の一冊だったが、いつ読んでも面白い

二宮、桑原コンビの標的は宗教法人。相変わらず魑魅魍魎とした金にまつわるストーリーだが、大阪弁の軽さ、軽いノリ、際立ったキャラで一気読みの一冊。

これでもかこれでもかと押し寄せてくる波にもめげず戦いつづけるふたり、その根性に敬服!さすが大阪!

とにかく元気の出るシリーズ。螻蛄とおけら、なんとも旨い表題!


悪果 [book] [黒川博行]

黒川博行/角川書店/お薦め度 ★★★★ 

破天荒な警察小説!?

主人公は大阪今里署のマル暴担当刑事・堀内。大阪、マル暴、これだけで舞台はセット完了。黒川ワールドの出発進行!

破天荒なマル暴刑事、分不相応な服装、持ち物、車・・・それに加えて、どこから出てくるのかわからない捜査協力費?でも、そんな中で現実の生活があったりして・・・そこがなんともこの小説のすごいところ。

バーターで得た賭場開帳の情報、しっかり現行犯逮捕で点数稼ぎ。逮捕者の中にいた学校経営者、金づるになりそうな臭いがプンプン。経済誌編集者を使いゆすぶりをかける。

編集者の死から事件は意外なてん末へと向かう。「悪果」(あっか)とは妙を得た題名。黒川ワールドに浸ってください。


暗礁 [book] [黒川博行]

黒川博行/幻冬舎/お薦め度★★★★★

兎に角おもしろい!

「疫病神」、「国境」に続くシリーズ第三弾! 建設コンサルタント・二宮、疫病神ヤクザ・桑原、両名とも健在なり!

今回の獲物は数億円とも言われる奈良東西急便のマル暴対策費。シノギに絡むヤクザ、ヤクザ・・・マル暴警官、マル暴警官・・・追いつ追われつの争奪戦、沖縄(前作は韓国のはずだったが・・・)で決着するのか?

「やすきよ漫才」を地で行くふたり、突っ込みの桑原、ボケの二宮、大阪弁のノリ、テンポのいい展開・・・どれをとっても怒涛の、一級のエンターテインメント。

これだけおもしろい本があるのに、誰もTV化しないのか?

主演の桑原は「タケシ」、二宮は「さんま」、ゴールデン・コンビの出来上がり、みなさんいかがでしょうか!?


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