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デニス・ルヘイン ブログトップ

過ぎ去りし世界 [book] [デニス・ルヘイン]

sample5.jpgデニス・ルヘイン/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

本年度ベストミステリー!?

「夜に生きる」、MWA賞受賞作、ではコグリン家の末弟・ジョー、無法者、がギャングとしてのし上がっていく様が描かれていた。本書はそれから十数年が経過、第二次世界大戦の最中、ジョー・コグリンはファミリーの顧問役となり裏稼業から手を引いていた。

妻を亡くしたジョーは9歳の息子トマスと暮らしていた。そんな折、ジョーの暗殺の情報がもたらされる。決行日までが設定されて・・・

ファミリー同士の調整役のジョー、一触即発の難題を解決しながら、自身の暗殺情報の真意を探る。

ギャング同士の縄張り、利権争い、日本で言えばヤクザの抗争を描いているわけだが、抒情的な文章、息子に対する愛だったり、その手の小説とは一線を画すベストミステリー!


ザ・ドロップ [book] [デニス・ルヘイン]

sample5.jpgデニス・ルヘイン/早川書房/お薦め度 ★★★★

最新刊

表題の「ザ・ドロップ」とは中継所、チェチェンマフィアの儲けた金の一時預かり所。主人公のボブとマーヴはマフィアに乗っ取られたバーの下働き。

クリスマスの二日後、ボブはゴミ容器の中で泣く犬を拾う。現場に居合わせてナディアに犬を預け、数日後に引きとりに行く。

孤独な男と一匹の犬の生活が始まる。

その一方、バーに強盗が入り、売上を奪われマフィアから圧力がかかる。

ナディア、犬、犬を捨てたチンピラ、落ちこぼれ刑事・・・が絡み、大金が動くスーパーボールを迎える。ボブとマーヴのバーが当日の「ザ・ドロップ」、そこで何が待っているのか?

ボストンの片隅、孤独な男と一匹の犬。ルヘインらしい設定!


シャッター・アイランド [book] [デニス・ルヘイン]

sample61.jpgデニス・ルヘイン/早川書房/お薦め度 ★★★★☆ 

「スコッチに涙を託して」、「闇よ、我が手を取りたまえ」、「愛しき者はすべて去りゆく」、「雨に祈りを」・・・私立探偵パトリックアンジーものとも、、また、「ミステック・リバー」とも一線を画す作品。

ボストン沖のシャッター島にある精神病院、精神を病んだ犯罪者、から女性患者が姿を消した。連邦保安官のダニエルと相棒のオールが派遣された。姿を消した患者の病室には鍵がかかり、謎のメッセージが残されていた。

保安官のダニエルにはもうひとつの捜査目的があった。彼のアパートに火を放ち、妻を殺した犯人がこの病院に収容されているかどうか・・・

孤島、密室、暗号、嵐・・・本格ミステリーのお膳立ては万全!結末のサヨナラ満塁ホームランに向け、一気に読み進んでください。


雨に祈りを [book] [デニス・ルヘイン]

sample122.jpgデニス・レヘイン/角川書店/お薦め度 ★★★★☆ 

パトリック&アンジー・シリーズ第五弾!

ストーカー行為に悩まされているカレン・ニコルズの依頼を受けたパトリック。犯人はわかっていた。男を脅かし、事件は解決した。

四ヵ月後、カレンはパトリックの留守番電話にメッセージを残したまま、投身自殺を図った。カレンのメッセージは折り返し電話をくれと言っていた。パトリックはそれに応えなかった。そのことがカレンに借りがあるように思えた。

この四ヶ月間で、カレンはぼろぼろになっていた。婚約者を自動車事故で失い、仕事もアパートも失っていた。

ふたたびアンジーをも巻き込み、真実に近づこうとするパトリック。

「愛しき者はすべて去り行く」は探偵としてちょっぴりメジャーになり、臆病風に吹かれたり・・・

そうかと思えば、本書のようにアンジーに去られ、事件を通じてよりを戻すことなったり・・・まさに人生そのものを時間軸で語ってくれる。


愛しき者はすべて去りゆく [book] [デニス・ルヘイン]

sample261.JPGデニス・レヘイン/角川書店/お薦め度 ★★★★☆  

探偵パトリック&アンジーシリーズ

私立探偵としての観点からすれば、家出と、両親のいずれかによる誘拐の可能性を除外した場合、子供の失踪は殺人と同様だ。七十二時間以内に解決しなかった場合、解決する見こみは少ない。

四歳の女の子は、三日前にこの近所から姿を消した。以来、ボストンじゅうが彼女の居場所を見つけようと、大騒ぎをしている。

母親が日曜日の夜にベッドに寝かせ、八時半ごろ一度だけ様子を見た。翌朝九時を少しまわったところで母親がベッドをのぞくと、目に入ったのは、娘の体の重さでくぼんで、しわになったシーツだけだった。

パトリックはこの失踪事件を引き受ける意味があるかどうか、迷っていた。アンジーのひと言でふたりは捜索に加わることになる。

二十万ドルの金と麻薬がらみの誘拐事件だということがわかってくる。しかし、五ヶ月が過ぎても、女の子は行方不明のままだった。

アンジーは女の子が生きていると固く信じ、ヒントはわたしたちのノートや、調査の詳細レポートや、警察の同様の調書のどこかに書かれていると考えていた。ふたりは新たな行動を起こす。

前半部分は警察の捜査にお付き合いしている感があるふたりだが、後半はいつものペースでふたりの捜査は進む。

「闇よ、我が手を取りたまえ」は超ハードボイルドだったが、本書はそうはなっていない。ふたりの関係が進展したこと、探偵としてメジャーになりすぎ、少々臆病になっていることにに起因するのか。それにしても二人三脚とはこのことか・・・


闇よ、我が手を取りたまえ [book] [デニス・ルヘイン]

sample248.JPGデニス・レヘイン/角川書店/お薦め度 ★★★★☆  

探偵パトリック&アンジーシリーズ第二弾!

ハードボイルとは固ゆで卵の意味。人間や出来事を、あくまで突き放した非情な態度と文体で描く手法。ヘミングウェーの文体をいったことに由来する。とくに推理小説で、マメット、チャンドラー、スピレーンらは、ハードボイルド派の作家といわれる。

レヘインも正統派のハードボイルド派と言っていいようだ。

パトリックとアンジーはボストン生まれの幼馴染(「ミスティック・リバー」もボストンが設定の舞台だった。レヘインの好きな街!?)。私立探偵が男、パートナーが女という設定もいかしている。

大学時代、二つの講義をとったことから知り合いになった大学教授からの話は、友人がアイリッシュマフィアとのトラブルを抱え、息子の命が脅かされているというものだった。

マフィアに狙われている者の依頼を受けることは・・・しかし、ふたりは依頼を受けてしまうことになる。

ボストンマフィアのボス、なんとも風変わりな友人、パトリックの恋人、アンジーの旦那、消防士だった今は亡き父らが、表で裏で複雑に絡みながらデススパイラルの入り口へと向う。まさにハードボイルドそのもの!?

ある種の危険な魅力を感じさせるレヘイン。パトリックとアンジーのその後も気になる。


夜に生きる [book] [デニス・ルヘイン]

sample8.jpgデニス・ルヘイン/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

MWA賞最優秀長篇賞受賞作

無法者のジョー・コグリンがギャングとしてのしあがっていく様を描いた作品。

構成は三部作、第一部は禁酒法時代のボストン、ルヘインの十八番の舞台、時はアメリカ発の大恐慌へ向かいつつある1926年~29年。第二部はフロリダ州タンパ、イーボーンシティ、移民の多い街。キューバは目と鼻の先。第三部は禁酒法が終わりを告げる1933年~1935年、キューバ。

ボストンでは市警警視正の父が犠牲を払いジョーの裁判を有利に導き、タンパでは禁酒法下、密造酒、ラム、の流通を握り、莫大な利益を組織にもたらす。キューバでは跡目相続をめぐる争い、農場経営、野球場・・・と読者を飽きさせない。

ギャング小説、ヤクザ小説なのだが、ルヘインの手にかかるとクライム・ノワールに変身。一気読み間違いなしのMWA賞受賞作。


ムーンライト・マイル [book] [デニス・ルヘイン]

sample1.jpgデニス・レヘイン/角川書店/お薦め度 ★★★★

シリーズ第六弾

パトリックアンジー完結編

「愛しき者はすべて去りゆく」の後日談。再びアマンダが消息を絶ってという。当時4歳だったアマンダもすでに16歳、伯母と会ったあと、パトリックは暴漢に襲われ、事件から手を引くようにと脅される。

12年の歳月はパトリックとアンジーにも大きな変化をもたらしていた。二人は結婚し、娘を授かった。仕事はと言えば、大手調査会社の下請けで、なかなか正社員になれずきゅううきゅうとしている。

調べが進むにつれ、アマンダが消息を絶つ理由はまったく見つからなかった。その一方、アマンダの友達ソフィーが誘拐される。

ロシア・マフィアの登場、急に金回りのよくなった母親、ソフィーのボーイフレンドの死・・・事件は混沌とした様相を呈してくる。

完結編を心ゆくまで味わってください。

イアン・ランキンの「リバース警部」に続き、「パトリック&アンジー」も完結、さびしい限りです。こうなったらマイクル・コナリーの「ハリー・ボッシュ」に頑張ってもらうしかありません。


運命の日 [book] [デニス・ルヘイン]

sample2.jpgデニス・ルヘイン/早川書房/お薦め度 ★★★★★

未読の一冊

デニス・ルヘインといえば「ボストン

舞台は第一次世界対戦前後のボストン市警、劣悪な労働条件下で働く巡査たち、父の庇護のもとにある、長男・ダニーも例外ではなかった。

ロシア革命による左翼化思想、労働組合の結成、ボストン市警にもその波が・・・

いつしかその流れの先頭に立つダニー、父親、弟との反目。時代の波に呑み込まれていくコグリン一家と使用人・・・家父のボストン市警警部・トマス、地区検事補の弟・コナー、末弟・ジョー。ダニーが心を通わせるコグリン家の使用人、ノラとルーサー。

時代の流れとそれに立ち向かう人たちの壮烈な生きざまを描いた秀作。

時代の流れをベーブ・ルースの挿話で語る手法はすごい。「ベーブ・ルースの呪い」もしっかり語られている。


コーパスへの道 [book] [デニス・ルヘイン]

sample1.jpgデニス・ルヘイン/早川書房/お薦め度 ★★★★ 

七編収録の短編集

短編というと「捻り」。確かに、本書はデニス・ルヘインなんですが(何時からルヘインになったの?レヘインだったのに・・・)、短編として「捻り」が特別に効いている訳ではないので、デモテープ的な草稿と言ったほうがいいかもしれません。

書評を見ると結構高い評価のようです。わたし的には長編に仕上げてほしかったなと思います。特に表題の「コーパスへの道」、「グウェンに会うまで」は・・・


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