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死者は語らずとも [book] [フィリップ・カー]

sample1.jpgフィリップ・カー/PHP研究所/お薦め度 ★★★★☆

CWA賞受賞作

ベルリン三部作ー「偽りの街」1936年、探偵。「砕かれた夜」1938年、警部。「ベルリン・レクイエム」1947年、スパイーの前日譚と後日譚、1934年ベルリン、1954年ハバナ、刑事警察を辞めホテルの警備員の職を得るグンター。

二年後のオリンピック開催を控え、ユダヤ人への圧力が増すベルリン。オリンピック参加を表明するアメリカ、それを阻止しようとユダヤ人の女性作家、ノリーン、が取材にベルリンを訪れる。その案内?をホテル経営者から依頼されるグンター・・・

利権に群がる輩、陰謀の闇に迫るグンターとノリーン。

ベルリンでは愛するグンターの命と引き換えに陰謀の真相を放棄、アメリカへ帰国したノリーン。20年後のハバナでふたりは再会する。更にベルリンで利権に群がっていたアメリカ人、マックスにも再会・・・

革命前夜のキューバでカルロスと名乗らざるを得なかったグンター、ベルリン同様次々と事件に遭遇する。いい意味でも悪い意味でもタフで不器用な男、グンターの本領発揮!?

1/4ユダヤ人の血が混じっているグンターのナチス感、革命前夜のキューバの政情感がグンターのグンターたる所以。700頁超の大作ですが一気読みでした!


タグ:CWA賞
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ベルリン・レクイエム [book] [フィリップ・カー]

sample1.jpgフィリップ・カー/新潮社/お薦め度 ★★★★

「ベルリン三部作」完結編

第一作は探偵小説、第二作は警察小説、第三作の完結編はスパイ小説!?

1947年ベルリン、戦後の混沌とした時代、怖いものはソ連兵と性病・・・

細々と探偵の看板を揚げたグンターのもとへソ連内務省の大佐が訪れ、米軍の防諜部隊大尉を殺した罪で裁判にかけられている男を救ってほしい、と。

高額の報酬に釣られウィーンへ赴くグンター。必要書類はすべてソ連内務省が揃えてくれた。

ユダヤ人弁護士夫婦殺害事件、米軍の憲兵隊と諜報部、諜報部の下請け組織、米軍と赤軍・・・戦後処理が進む中、反ナチ運動、共産主義、戦勝国同士の利害が複雑に絡む中、グンターは一歩一歩殺人事件の真相に近づく・・・

前二作同様、実在の人物が鍵を握る。その名はゲシュタポ長官だった、ハインリヒ・ミューラー。史実でも逮捕も死亡も確認されていない。

最後の賭けとして敵地へ乗り込むグンター、ミューラーを捉え、事件の全貌を解明することが出来るのか!?

三部作とも史実のとり込み方のうまさが際立つハードボイルド!


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砕かれた夜 [book] [フィリップ・カー]

sample1.jpgフィリップ・カー/新潮社/お薦め度 ★★★★☆

ベルリン三部作、第二弾

時は1938年、ユダヤ人迫害がますます強くなるベルリン。ドイツは戦争に一歩近づいていた。

私立探偵グンターは富豪の未亡人から強請事件の依頼を受ける。自分の息子が事件に関係しているのではないか、と。犯人と思しき男を突き止めるが、助手ともども殺されてしまう。

そんななか、前職の刑事警察に半強制的に連れ戻されるグンター。唯一の条件は刑事から警部。指揮をとらされた事件は連続強姦殺人。すでに4人の少女が殺害されていた。

捜査をあざ笑うかのように更に増える被害者。いつしか二つの事件が符号することに・・・

今回も実名の人物、ヒムラーが大きな役割を果たす。事件の解明と時代背景を巧みに操る作者に脱帽!

主人公グンターの心情哲学を示す一節。「ふだんなら、党の広報番組など聴きはしない。自分の屁に耳を傾けているほうがよほどましだ」

追伸:前作で行方不明となったイングの件はもうちょっと頁を割いてほしかった!


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変わらざるもの [book] [フィリップ・カー]

sample1.jpgフィリップ・カー/PHP研究所/お薦め度 ★★★★

グンター・シリーズ第四弾

1949年ミュンヘン、戦後、強制収容所の近くで妻、入院中、のホテルを経営していたるが、訪れる客もいなくなり、妻の死、インフレエンザ?、をきっかけに探偵稼業を再開するグンター。

グンターのもとを訪ねるひとりの女、再婚するために夫の安否確認が必要。夫は元親衛隊員、非道の限りを尽くした収容所の所長、逃走中、オデッサを頼り第三国行きを待っていた、と。

苦労の末に調査を済ませるグンター。その過程で戦友会に接触、そのことがグンターに悲劇をもたらす。拉致され、拷問にあい、両手の小指を切断されてしまう。

切断された小指は事件のプロローグに過ぎず、グンターを陥れる驚愕の作戦が待っていると同時にグンターの生死をかけた戦いも始まる。

戦時中のナチスの非道、戦後裁かれるナチス、逃亡をはかるナチス・・・本書に登場する歴史上の人物はアイヒマン。読み応えのある一冊。


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偽りの街 [book] [フィリップ・カー]

sample1.jpgフィリップ・カー/新潮社/お薦め度 ★★★★☆

ベルリン三部作、第一弾

1936年、オリンピックの開催を間近に控えたベルリン。失踪人探しを生業にする私立探偵、グンターのもとに鉄鋼王、ジグスから仕事の依頼が舞い込む。

ジグスのひとり娘とその夫が殺され、金庫から高価なダイヤの首飾りが盗まれた。内密にその首飾りを見つけてほしい、と。

第二次世界大戦前夜、ナチス独裁体制、ユダヤ人迫害・・・暗澹たる時代背景のなかであらゆる手段を駆使して調査に乗り出すグンター。

首相のゲーリングからは別件の調査、ゲーリングの代理人の行方、を依頼されるに至り、金庫のなかに首飾り以外のものがあったことに気づく。

新しい助手のインゲとふたりで挑む真実はいかなるものか・・・

1989年刊の秀逸なハードボイルド。新しい助手、インゲの行方がわからなくなる第一部、続きは第二部の「砕かれた夜」へ。


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静かなる炎 [book] [フィリップ・カー]

sample1.jpgフィリップ・カー/PHP研究所/お薦め度 ★★★★

グンター・シリーズ

史実に基づいた舞台設定、1932年ベルリン、1950年ブエノス・アイレス。

1932年ベルリン、ナチス台頭、2回の選挙で過半数を占めることは出来なかったが、ヒンデンブルク大統領はヒットラーに組閣を依頼、翌年、ドイツ国首相となる。

1950年ブエノス・アイレス、ペロン大統領、第二次世界大戦で得た莫大な外貨を梃子に、積極的な経済政策を推し進める。貧民から聖母のように崇められた妻、エバ(エビータ)も大統領の政策に一役買う。

ファシズムに傾倒、ドイツから資金援助を受けていた親ナチのペロンはナチスの残党を多数移民として受け入れていた。主人公のグンター、元ベルリン警察官、も医師を装ってアルゼンチンに渡る。

アルゼンチンでグンターが依頼された仕事は、失踪した銀行の支店長の娘を捜し出すことだった。依頼主はベルリンで迷宮入りした少女惨殺事件の経緯を知っていた。

1932年、ベルリンとミュンヘンで起きた少女惨殺事件の解決を見る前に警官を辞めたグンター。なぜ職を辞するかは彼の政治心情とナチス台頭が大きな影を落としていた。

1950年、親ナチ派の国で起きた18年前と酷似?している事件と国情?

2つの事件が交互に語られと共に、実在の人物、アイヒマン・・・、らとアルゼンチンのユダヤ難民の悲劇が時代を色濃く映す。

迷宮入り事件は?失踪した娘は?事件より時代背景に押しつぶされてしまいそうな一冊!?


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