So-net無料ブログ作成
検索選択
ピエール・ルメートル ブログトップ

傷だらけのカミーユ [book] [ピエール・ルメートル]

sample1.jpgピエール・ルメートル/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆

CWA賞受賞作にしてシリーズ完結編

カミーユ警部の恋人、アンヌ、カミーユへのプレゼントを受け取りに行った宝石店で強盗に出くわし、瀕死の重傷を負う。

一命を取り留めたアンヌ、犯人を捕まえるべく病室で事情聴取に臨むカミーユ。無残な姿のアンヌはショックで少しづつしか事件について話せない状況。そんな折、アンヌの収容された病院に犯人と思しき人物が現れる。

カミーユはアンヌを守るべく彼女との関係を隠し事件を担当する。二度と愛する人を失しないたくないという強い思いが捜査の手順を狂わす。

妻、イレーヌを失ってから5年、「悲しみのイレーヌ」、アンヌとの奇跡的な出会い、これが事件の発端だった。ネタばれになるのでこれ以上はいえませんが、さすがピエール・ルメートルと唸ってしまう展開です!

前二作、「悲しみのイレーヌ」、「その女アレックス」、同様ベスト1かもしれない一冊!


タグ:CWA賞

天国でまた会おう [book] [ピエール・ルメートル]

sample1.jpgピエール・ルメートル/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

ゴンクール賞(エスプリに満ちた作品)受賞作

「その女アレックス」とはひと味もふた味も違う作品。

第一次世界大戦休戦前夜、百十三高地の奇襲、上官ブラデルの犯罪?に気づいたアルベールは砲弾の穴に突き落とされ、生き埋めに。窮地を救ったのはエドゥールだった。しかし、砲弾の破片が顔に刺さりエドゥールは顔を失う。

野戦病院で懸命に看病にあたるアルベール、断固として裕福な実家に戻ることを拒絶するエドゥール。エドゥールの姉に弟は戦死したと嘘をつき、別人になりすましパリへ帰還、ふたりの生活が始まる。

エドゥールのモルヒネ代を稼ぐには、アルベールら帰還兵に対する世間の仕打ちは冷たかった。

ブラデルは帰還後、エドゥールの姉と結婚、胡散臭い仕事で実業家としてのし上がっていた。

戦没者追悼墓地建設でひと儲けを企むブラデル、一方、エドゥールは途方もない追悼記念碑建立詐欺の計画を練りあげていた。

ふたつの企みの行き着く先は?こう書くとエンタメ的な要素が多いように聞こえるが、画才のあったエドゥールの奇行?を理解しなかった父、ペリクール、との確執、エドゥールの戦死により我が子を思う心に変化をきたす父。大戦を皮肉る?とともに父子愛を描いたエスプリ。


悲しみのイレーヌ [book] [ピエール・ルメートル]

sample1.jpgピエール・ルメートル/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆

衝撃的なデビュー

大ベストセラー「その女アレックス」の第一作目が読めるなんて・・・

カミーユ・ヴェルーヴェン班が担当する事件は猟奇的バラバラ殺人、犠牲者は体型の似た二人の娼婦。壁には血文字の最後に指を一本だけ押しつけた跡が・・・

その指紋が2年前の事件と結びつく。

一日中事件のことを考えているカミーユ、ある日の夢のなかに突拍子もないことが浮かぶ。2年前の事件の殺害方法は「ブラック・ダリア」/ジェームス・エルロイ(「LAコンフィデンシャル」、「ホワイトジャズ」の著者)を模したものではないのか、と。

ミステリー通の書店主らの力を借りると、猟奇的バラバラ殺人事件は「アメリカン・サイコ」/B・E・エリスをなぞったものと判明。

カミーユたちの捜査状況は事あるごとに新聞にリークされ、そのことがカミーユを窮地に陥れる。それを救った奇策とはミステリー誌に掲載した広告だった。

犯人からの手紙には犯行の全貌が記されていた。犯人の最後の仕上げは「悲しみのイレーヌ」!?

ミステリーのなかにミステリー本を登場させ、ミステリーファンのこころをつかむとは・・・秀逸な一冊。


死のドレスを花婿に [book] [ピエール・ルメートル]

sample1.jpgピエール・ルメートル/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆

フレンチミステリー

「その女アレックス」は著者3作目にして40数万部超のベストセラー。本書は2作目の文庫化。

4部構成の本書。第1部は主人公の「ソフィー」。ベビーシッターとして雇われたソフィー、雇い主のアパルトマンに泊まった朝、面倒をみている息子がベッドの中でソフィーの靴ひもで絞殺されていた。雇い主夫婦は既に外出、状況証拠はソフィーが犯人であることを示している。ソフィーの逃亡生活が始まる。

第2部は「フランツ」。謎の男フランツの2年にも及ぶストーカー行為。以前は夫婦で幸せな生活を送っていたソフィーの正面の建物に移り住み、「裏窓」的な覗き、侵入・・・それによりソフィーは記憶障害を引き起こし、流転の人生を送るはめになる。

第1部と第2部は完璧な「いやミス」!

ネタばれになるので多くは語れませんが、第3部は「フランツとソフィー」。フランツの戦略。第4部は「ソフィーとフランツ」。ソフィーの大逆転の戦略。

「その女アレックス」同様、秀逸なミステリー!

年内に第4作も用意されているようなので期待して待っています


その女アレックス [book] [ピエール・ルメートル]

sample1.jpgピエール・ルメートル/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆

CWA賞インターナショナル・ダガー受賞作

パリの路上でアレックスが誘拐され、ネズミと一緒に全裸で檻に閉じ込められた。犯人は「おまえがくたばるのを見たいからだ」と繰り返すだけ・・・

自分の妻も誘拐され殺された過去を持つパリ警視庁のカミーユ警部が指揮をとる。誘拐犯の割り出しに成功するが、犯人は飛び降り自殺。アレックスの行方は依然不明のまま。

一方アレックスは救出される前に自力で脱出し、自分の足跡を消す奇妙な行動に出る。

ここから事件は急展開、ネタばれになるのでこれ以上は言えませんが、入り口と出口の景色がまったく違うものなることは受け合います。

カミーユ警部、同僚の人物設定もいいし、シリーズ化してほしい作品。ミステリーとしてもよく練られた、本年度ベスト10入り間違いなしの一冊!?


タグ:CWA賞
ピエール・ルメートル ブログトップ