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夏に凍える船 [book] [ヨハン・テオリン]

sample5.jpgヨハン・テオリン/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

エーズランド島四部作最終章

イェルロフ、元船長、が少年船員として海に出たのは16歳、家の手伝いの合間に教会の墓穴掘りをしていたときのことは生涯忘れられない。棺からノックが三回聞こえ、裕福な農夫が二度埋葬された・・・そのとき一緒に墓穴を掘った年下の少年、アーロンのことも・・・

島でリゾートを経営するクロス一族、その末っ子、ヨーナス。ある夜ゴムボートでひとり沖へ漕ぎだす、漆黒の闇のなか突然幽霊船が現れ、ボートが萎み、幽霊船に乗り移る。そこでヨーナスが見たのは死体と斧を持った男、老人。慌てて海に飛び込み、イェルロフのボートハウスにたどり着く。

島に帰って来た男、アーロン、の数奇な過去、義父に<新しい国>に連れて行かれ、そこで待っていた過酷な生活、と現在が交互に語られる。

過去と現在を繋ぐためイェルロフが老体に鞭うって捜査に乗り出す。アーロンの復しゅう劇、クロス一族の秘密・・・淡々と語られる。

イェルロフがボートでひとり漕ぎだすエピローグが実に最終章にふさわしい!何と魅力的な一冊!

追伸:三回のノックの謎も解き明かされる!?


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赤く微笑む春 [book] [ヨハン・テオリン]

sample2.jpgヨハン・テオリン/早川書房/お薦め度 ★★★★

エーランド島・シリーズ第三弾

エーランド島に暮らし始めるペール。疎遠な父から別荘へ迎えに来るようにと電話が入る。しぶしぶ出向くペール。そこで待っていたのは腹に傷を負った父と別荘の火災。焼け跡から腕を縛られた男女の死体が・・・

こう書いてしまうと物語の進展が明確に見えそうだが、そうはならない。ペールの隣人たち、ペールの娘の病気、元船長と亡き妻の日記・・・ジェットコースターではなく、「淡々」と綴られる物語が春のエーランド島と相まって気持ち良いテンポを生み出す。

事件の真相は気持ち良いテンポとは裏腹に、ハッピーエンドではない。スウェーデンのセックス産業が引き起こした悲劇。

次作がシリーズ完結編のようだ。


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冬の灯台が語るとき [book] [ヨハン・テオリン]

sample5.jpgヨハン・テオリン/早川書房/お薦め度 ★★★★

エーランド島・シリーズ第二弾

エーランド島へ引っ越してきたヴェスティン一家、工芸教師の夫、美術教師の妻、ふたりの姉弟、灯台を望む屋敷を夫婦で改装しながら住み始めた。

その屋敷で聞こえる足音、人の声、叫び声・・・納屋には人々の気配が・・・

そんな折、夫の姉の死に続き妻が溺死。ふたりの姉弟を抱えながら悲しみにくれる夫。

なんともホラー的な展開に島を荒らす強盗三人組の話と妻の母親をめぐる過去が交互に語られる。行きつく先はどこなのかと読み進むともう巻末。

ラストの活劇、前作「黄昏に眠る秋」の元船長の推理、妻の母親の手記・・・これらが導き出す真実は如何に!?

夏は観光客でにぎわうエーランド島なのだろうが、クリスマスのブリザードは想像するだけで厳しそう。スウェーデン発のミステリー、例えばアン・クリーヴス、は気候風土そのものがストーリーの一部。


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黄昏に眠る秋 [book] [ヨハン・テオリン]

sample5.jpgヨハン・テオリン/早川書房/お薦め度 ★★★★

CWA賞最優秀新人賞受賞作

ふたつの物語の行き着く先は!?

二十数年前に消えてしまった幼い息子、その事件から未だ立ち直れない母・ユリア。事件以来疎遠になっている父親のもとに孫の靴が送られて来る。それをきっかけに父・イェルロフとの交流が再び始まる。80歳のイェルロフを探偵役に事件の解明に立ち向かう父・娘。

もうひとつは、資産家の息子、弟を水死させてしまうほどの悪童、その人生が並行して語られる。

ふたつの話がどこかで交わることはわかっているが、それまでじっくり読ませる筆致がいい。さすがCWA賞新人賞!

欲を言えば、最後まで読ませてきたのだから結末にもっとページを割いてくれた方がよかった!?

いずれにしても、質の高いスウェーデン・ミステリーの一冊であることは間違いない。


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