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鮫島の貌 [book] [大沢在昌]

sample1.jpg大沢在昌/光文社/お薦め度 ★★★★

新宿短編集」

2006年から2011年の間に掲載された短編。「新宿鮫Ⅸ」から「新宿鮫Ⅹ」の間が10年あるわけだから、その間にかかれたもの。読者、出版社の要望で長編を書くにはエネルギーがいるが短編ならという感じか!?

「鮫島の貌」とは的を得た表題。内面から顕れるのが「貌」だから・・・

10編収録されているが、やっつけ仕事、失礼、「貌」が見えない作品もあるようだ。もう少し吟味してもよかったのなか・・・

でも、新宿鮫ファンにとってはたまらない一冊。にんまりしながら読了。


絆回廊 新宿鮫Ⅹ [book] [大沢在昌]

sample2.jpg大沢在昌/光文社/お薦め度 ★★★★

シリーズ第十弾

新宿鮫」シリーズ第一作の刊行は1990年、20年でシリーズ第十作、最新刊の本書はなんと5年ぶり

鮫島の歳のとり方に比較すると、著者・大沢在昌の歳の取り方のほうが圧倒的に早い。「新宿鮫」はこの十年で前作「狼花」と本書の2冊だけ。本文316頁には、「昔のお前なら、それが誰であろうと、警官の命を守るためなら、つっぱったのじゃないか」・・・あんたは新宿鮫なんだぜ、鮫島らしくない感傷的なシーンもみられる。

本シリーズのもうひとつの柱は「鮫島」と「晶」の関係、本書ではサイドストーリーとして頁を割いている。ファンとしてはうれしい限り!

表題の通り、たくさんの「絆」、絆というより「しがらみ」、が出てくる。親子、上司、身代わり人、同胞・・・それを一冊に凝縮させる筆致は相変わらず。本件はすべて解決したように見えるが、キーパーソンが最後に姿を消してしまう。これは次作への伏線!?

何年後にこの続きを読めるかわからないが、気長に待ちたいものです。


黒の狩人 [book] [大沢在昌]

sample9.jpg大沢在昌/幻冬舎/お薦め度 ★★★★ 

「狩人」シリーズ最高傑作!?

ここのところお疲れモードだった著者、久々の復活!?

中国人ばかりを狙う連続殺人事件、残忍な手口と脇の下に刻まれた刺青。それらが意味するものは「五岳聖山」。陰陽五行説に基づき、木行=東、火行=南、土行=中、金行=西、水行=北 の各方位に位置する、五つの山が聖山とされる。

事件を追うのは新宿署の刑事・佐江、謎の中国人で捜査補助員の毛、情報収集に自身の身体を投げ出すこともいとわない外務省職員・由紀の三人組。特に謎の中国人・毛の存在が効いている。上下巻の長篇だがあっという間に読ませる。

「影絵の騎士」では近未来を、「魔物」ではイコンを題材に新境地を狙ったのだろうが、在昌ファンを納得させることは出来なかったはず。今回は軌道修正?本来の王道を歩む大沢在昌を久々に見た。


魔女の盟約 [book] [大沢在昌]

11391174.jpg大沢在昌/文藝春秋/お薦め度 ★★★★ 

シリーズ第二弾

前作「魔女の笑窪」は連作短編集、シリーズ第二弾は長篇

日本のどこかにある島。外からくる男には『天国』。そこに暮らす女にとっては『地獄』。逃げることも許されない「地獄島」。そこを破壊し釜山に逃げた水原冬子は、自分が組織の企みに利用されていたことを知る。韓国で知り合った女性捜査官・白理と共に日本に戻る

白理のあだ討ちに付き合うと同時に報復の戦いが始まる。

ちょっとイージーゴーイングな展開かもしれないが、在昌ファンとしてはついつい手が出てしまう。

魔物 [book] [大沢在昌]

10604180.jpg大沢在昌/角川書店/お薦め度 ★★★★ 

新境地!?

大沢在昌にしてはめずらしい題材!?

封印されたイコン、そこに描かれているのは聖人「カシアン」。心に強い憎しみを持つ人間に獲りつき、悪しき欲望を満たす力を与える魔物。

ロシア人に獲りつき日本に上陸する魔物。麻薬取引による銃撃戦にて重症を負ったように思えたが、素手で警察官数名を殺害し、逃走する。

麻薬取締官の大塚、ロシア人ホステス・ジャイナの力を借り、イコンのもつ魔力を知ることになる。

人が多ければ多いほど憎しみを持つ人もまた多い、憎しみが渦巻く魔物の理想郷・東京、魔物は東京を目指す。

いつもの大沢在昌じゃないけど、たまにはいいじゃないの!?

影絵の騎士 [book] [大沢在昌]

大沢在昌/集英社/お薦め度 ★★★ 

ついつい辛くなってしまう・・・

近未来、スラム化した東京、そこから切り離された人口島、そこは日本版ハリウッドムービーアイランドテレビ番組を通じての連続殺人事件が横行、高い視聴率、人気のレポーター・・・世間の注目を集める。そんな人口島へ探偵がひとり乗り込む。

イントロはあらたな主人公が作り出され、期待感が高まるかに思えたが、実はそうではないようだ。近未来の設定が胡散臭さを消してしまい、毒のない、平凡なエンタテイメントにしてしまった。

ファン故についつい辛口になってしまう。ここのところスランプ気味の大沢在昌でありますが諦めず待ちます。会心の一打を!


Kの日々 [book] [大沢在昌]

大沢在昌/双葉社/お薦め度★★★

「狼花」同様、少々お疲れ気味!?

三年前の組長誘拐事件、四人の実行犯、身代金は消えたまま東京湾に浮かんだ中国人マフィア。身代金の行方を捜すため実行犯の元組員二人から、死んだ中国人マフィアの恋人「K」の身辺調査の依頼を受けた裏の探偵・木(もく)。

「K」の見張りを続けるうち、ついつい掟破りの接触をしてしまう。近づくに従い、ミイラとりがミイラになってしまう木。

裏の探偵だから少々甘っちょろくてもしかたがないが、もっとスパイスの効いた展開がほしかったな・・・

やっぱりお疲れ気味の在昌!!!


狼花 新宿鮫Ⅸ [book] [大沢在昌]

大沢在昌/光文社/お薦め度★★★

ちょっと残念!?

新宿鮫シリーズ最新刊、五年半ぶりの待望の一冊!?

インタビューのなかで、
「・・・今回の『狼花』というのは大きな分岐点になった作品だなと思います。それは、読者にとっても鮫島にとっても、もちろん本に書いている俺本人にとっても、曲ってしまった。ある角を曲ってしまったんだな、という思いがいますごく強くある・・・」

なんで曲る必要があるのだろうか?
「マンネリの美学」があってもいいはず。その好例はマイクル・コナリーのハリー・ボッシュ・シリーズ、悪例はパトリシア・コーンウェルのケイ・スカーペッタ・シリーズ。新宿鮫シリーズも前者であったはず。しかし、本書はそうではない。曲ってしまったのだ。

大沢在昌も疲れてしまったのかしれない。次作に期待するのはもうむずかしいかも? 新宿鮫シリーズの終焉?

追伸:評価の悪さに、ひょっとしたらもう一作書いてくれるかもしれない・・・!?


魔女の笑窪 [book] [大沢在昌]

大沢在昌/文藝春秋/お薦め度★★★★

日本のどこかにある島。外からくる男には『天国』。そこに暮らす女にとっては『地獄』。逃げることも許されず、それこそ最下級から最高級の娼婦までそろっているという。そこから島抜けした主人公・水原冬子、男を完璧なまでに見抜く特技を生かし、裏家業のコンサルタントを営む。

裏切りとだまし合いの社会、ひた隠しにする過去、いつしか「地獄島」の番人からの逃亡劇が始まる。

久しぶりの、「天使の爪」以来、女主人公を登場させたハードボイルド作品。表題とも関係するしゃれた会話、
「きれいな片笑窪だね」
「昔は両方あったの。ひとつは落としたみたい」
「どこで?」
「たぶん地獄」
「地獄ってどんなところか知ってるの?」
「もしかしたら」

シリーズ化するのかどうかわかりませんが、もう少し続きを読んでみたい気もします。


ニッポン泥棒 [book] [大沢在昌]

大沢在昌/文藝春秋/お薦め度 ★★★☆☆

なんともフラストレーションの残る展開。在昌にしてはイマイチ、切れがない。ファンだけに厳しい採点となってしまう。

『ヒミコ』、わかりやすくいえばシミュレーションソフト。可能な限り、いろいろな国の政治、経済、文化、流行、軍隊・・・の情報を集め、とくに人物情報に重きを置いた。年齢、学歴、趣味、星座、血液型・・・

『ヒミコ』の最も優れた能力は『イレイス』、入力された一万人のうち誰かを消すことで、その後の国内情勢や国際情勢の変化を予測できる。

クリエーターによって封印された『ヒミコ』を解く鍵として指名された、アダム四号の尾津とイブ二号のかおる。見知らぬふたりが出会うことで、何かが生まれ、『ヒミコ』の鍵となる。

ふたりの行方に立ちふさがる面々、公安、CIA・・・、どっちが敵でどっちが味方なのか。最後の最後までヤキモキさせる。

在昌には、シミュレーションソフトというようなデジタルな題材は似合わない!?アナログなもの、麻薬、失踪者・・・、が似合っていると、わたしは勝手に思っている。


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