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散り椿 [book] [葉室麟]

sample1.jpg葉室麟/KADOKAWA/お薦め度 ★★★★

「流石」としか言いようのない・・・

18年前、上役の不正を訴え妻と共に藩を追われた瓜生新兵衛、妻の遺言?により帰藩する。そこで新兵衛が目にしたのは、跡目争いに伴う家老と側用人の対立だった。

新兵衛の帰藩が藩内を泡立たせると共に、自身も争いの渦に巻き込まれていくことになる。

新兵衛のいない間に起きた二の謎が関与?している。ひとつは義妹の夫の自害、使途不明金の発覚、疑いをかけられ、無実を主張・・・もうひとつは、側用人の榊原采女の父が何者かに斬られた件・・・これらが複層しながら物語は進む。

妻の残した遺言の真の意味とは?跡目争いの結末は?ふたつの謎の真実は?男女の思慕の念を絡めながら描かれる葉室ワールド・・・相変わらずいいですね!


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シャーロック・ホームズ対伊藤博文 [松岡圭祐]

sample1.jpg松岡圭祐/講談社/お薦め度 ★★★★☆

ホームズ物語

BSプレミアムで「シャーロック4」が放映されたばかり。「シャーロック3」の特別編「忌まわしき花嫁」の導入部と同じ悪の帝王モリアーティ教授を滝つぼへ突き落すシーンから物語は始まる。

シャーロックも滝つぼに一緒に落ち、死亡したことになっている。ほとぼりが冷めるまで兄が用意した案は、密航、向かう先は横浜、伊藤博文の自宅を訪ねよということだった。

シャーロックが伊藤博文から依頼された事件とは、ロシアのニコライ皇太子が巡査に襲われ負傷した「大津事件」の解明、巡査はすでに裁判にかけられ無期懲役になっていた。

当時の列強国、特にロシア、と日本のパワーバランスは、いつ戦争が起きてもおかしくない状況下にあった。4ヶ月前に起きた「大津事件」、ロシアの寛大な処置で収まったかにみえたが、九隻のロシア艦が来航、お台場に停泊、犯人を死刑にしろと手のひらを返してきた。

シャーロックと伊藤博文がタッグを組んで真相究明にあたる「大津事件」、その裏に隠さたもうひとつの陰謀も暴きだすことに。二度美味しい仕掛けを堪能できる。

史実にシャーロックと伊藤博文らを登場させる大胆な発想に脱帽!一気読みのエンタメ小説でした。


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荒神 [book] [宮部みゆき]

sample1.jpg宮部みゆき/新潮社/お薦め度 ★★★★

BSプレミアムドラマ化決定!

巻末の解説で特殊技術監督の樋口真嗣さんが本書を画像にする思いを熱く語っています。解説としては極めて異例ですが、NHKがこの熱い思いを受け止めてくれることを期待します。

小山のような身体を支える、太くて短い脚、脚の恰好だけなら蜥蜴(トカゲ)にそっくり、踵の側に蹴爪は見えないが前の三本の爪は鋭く、爪というより牙だ。身体は蝦蟇(ガマ)、脚は蜥蜴、尻尾は蛇、その皮膚はだんだら模様。

こんな怪物?が一夜にして東北の小藩の山村を壊滅させた。難を逃れた蓑吉は敵対する藩で助けられる。蓑吉を介抱し匿ったのは藩主の側近を務める曽谷弾正の妹、朱音、蓑吉が語る壊滅の様は想像を絶するものだった。

いがみ合う二つの藩、そのなかで怪物?が呪詛の力でを生みだされたことが徐々に明らかになる。しかも呪術者の血を引く者が朱音であり、弾正であることも・・・

怪物を我が物にしようとする兄、弾正vs.怪物を殲滅しようとする妹、朱音の戦いが始まる。

「三島屋変調百物語」の延長線上にある作品!?に大活劇と怪物が登場、何とも贅沢な作品。ドラマも期待したいものです。

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凍てつく街角 [book] ['17 海外編]

sample5.jpgミケール・カッツ・クレフェルト/早川書房/お薦め度 ★★★★

捜査官ラウン・シリーズ第一弾

妻の死、強盗殺人、から立ち直れないでいるラウン、酒びたりの毎日、しかも捜査官としての仕事は休職中。

そんなラウンに友人であるジョンソン、パブのバーテンダー、が頼みごとを。二年前から行方不明になっているマーシャを探してほしいというのだ。マーシャの母親に断るつもりだったが、依頼を受けてしまうウラン・・・

マーシャの恋人の線からマーシャは裏の犯罪組織に売られたことがわかる。これで終わりにしようと思ったが、周りに説得され、性犯罪の巣窟?ストックホルムへ飛ぶラウン。限られた時間でマーシャに行くつくことが出来るのか!?

物語は現在、2年前、30年前の3つのストーリーで展開される。現在はラウンの捜査状況、2年前はマーシャの日記、30年前は???

警察の協力を得られないまま武器を持たずに単身敵地へ乗り込む無謀さ?結末でラウンに協力する友人たち・・・アナログなストーリーだが好感が持てるシリーズ第一弾。

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晩夏の墜落 [book] ['17 海外編]

sample1.jpgノア・ホーリー/早川書房/お薦め度 ★★★★

MWA賞受賞作

乗客乗員11名を乗せたプライベートジェットが大西洋上に墜落。売れない画家スコットは4歳の男の子を背負いながら夜の梅を泳ぎ切り、奇跡的な生還を果たす。

プライベートジェットに乗っていたのは、<ALCニュース>の代表とその妻、ふたりの子供、護衛。銀行夫婦。スコット。操縦士、副操縦士、客室乗務員の11名。生存者はふたりだけだった・・・

生還したスコットは英雄扱いされるが、ALCニュースの名物司会者はこの問題を違法な手段で得た情報をもとに煽りたてる。

遅々として進まぬ捜査と並行して11人の群像劇が綴られる。人気ドラマのクリエーター、ノア・ホーリー、ならではのプロット!?

スコットと男の子の絆、男の子を引き取った妹夫婦の軋轢、司会者との対決・・・サブストーリーを交え物語は結末へと向かう。墜落は事故だったのか事件だったのか最後に語られる真実とは?

ニュースをショー化、墜落事故?の関係者をニュースに登場させ、最後にはスコットも登場、視聴者を司会者の思惑通りにミスリードするところは現代のアメリカを象徴!?

MWA賞最優秀長編賞受賞作にしては趣を異にする一作。期待が大きかっただけに少々残念なところも・・・


タグ:MWA賞
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