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'18 海外編 ブログトップ

憂鬱な10か月 [book] ['18 海外編]

sample1.jpgイアン・マキューアン/新潮社/お薦め度 ★★★★☆

プロットに脱帽!

主人公は母親の胎内にいる「おれ」、ラジオの音から世界の最新情報を、母親の飲むワインからソムリエ並みの知識を、両親のいさかいを、義弟の愛人との戯言を、夫を亡き者にする計画を・・・聞きもらさず、その明晰な頭脳で自身の運命と綱引きを演じる。

夫を亡き者にする計画とは自殺を装った毒殺、その後胎内にいる「おれ」を養子に出すというもの。準備は着々と進み実行を待つのみ・・・

まんまと自殺にみせかけた毒殺は成功するが、その後の警察の事情聴取にあたふたする母親と義弟。完全犯罪は成功するのか!?

最後の最後に「おれ」の選択であることが起こる・・・

ジム・トンプスンのパルプ・ノワール的な臭いを感じさせるありそうでなさそうな一冊!?

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サイレント・スクリーム [book] ['18 海外編]

sample1.jpgアンジェラ・マーソンズ/早川書房/お薦め度 ★★★★

シリーズ第一弾

私立校の校長が何者かに溺死させられる、しかも宅地の木々に火がつけられて・・・捜査を担当するのは女性警部キム・ストーン、鋭い勘で高い検挙率を誇り、時には上司の命令も脇に置くことがある。

被害者がある遺跡、10年前火災で焼失した児童養護施設、の発掘作業に関心を示し、大学教授と連絡をとっていたことを突き止めるキム、やっとのことで発掘作業の許可がおり、大学教授らと発掘作業にとりかかった途端、人骨が見つかる。しかも一人、二人、三人と・・・

人骨は児童養護施設で暮らしていた少女!?校長に続き児童養護施設でかつて勤務していた介護士、寮母、警備員らが次々と殺害される。少女らと接点のあった職員がなぜ?

キムを尊敬する小チームの面々、とりわけ年上の部下ブライアントがキムをフォローする姿が実にいい。

キムの生い立ち、施設、里親をたらい回しにされた経験を持つ、と相まってシリーズ第一弾としては上々の滑り出しだが、事件解決の切れ味がイマイチ!?次作以降に期待しましょう・・・

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そしてミランダを殺す [book] ['18 海外編]

sample1.jpgピーター・スワンソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

CWA賞最終候補作

ビジネスクラスの専用ラウンジ、実業家のテッドは大学の文書保管員をしているリリーから声をかけられ、マティニーのグラスを傾ける。酔った勢い?でテッドは、妻のミランダが浮気をしていることを知り、「妻を殺したい」と言ってしまう。

リリーはそれは当然と協力を申し出る。何とも芝居がかった?書き出し・・・

妻を殺そうと行動を起こす男、それを後押しする女、浮気相手の男、浮気をしている?女・・・物語は一転、テッドが妻の浮気相手に殺される。それは妻と浮気相手の共謀!?

それに対してリリーは復讐を誓い行動を起こす。そこにはリリーの少女から大人なる間の秘められた過去があった・・・

リリーvs.ミランダ+浮気相手の構図が浮かび上がるが、物語はそう単純にはいかない。リリーが浮気相手を懐柔したことで三者三様の利害が発生、次に殺されるのはミランダ?浮気相手?

後半からリリーを追う刑事キンポールが現れ、殺すもの、殺されるもの、追うもの、追われるものの攻防が続く・・・

結末は最終ページの父からリリーへの手紙の中に!

CWA賞の最終選考まで残ったクールな犯罪小説!?


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許されざる者 [book] ['18 海外編]

sample1.jpgレイフ・GW・ペーション/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

CWA賞・ガラスの鍵賞受賞作

国家犯罪捜査局の元長官、ヨハンソン、脳梗塞で倒れ救急搬送される。辛うじて一命は取りとめたものの、右半身に麻痺が残った。

そんな彼に主治医の女医が相談をもちかける。自分の父親、牧師、が25年前に起きた少女殺人事件の犯人について懺悔で聞いていたというのだ。事件は既に時効が成立していた・・・

敏腕の元長官、その事件を担当していたヤープリング、長官と同じ年金生活者、と事件の再捜査に乗りだす。そこは元長官、かつての部下たちから情報を出させることは朝飯前だ。

何とか退院出来たヨハンソンの手足となって働くメンバーが集められる?刺青を入れた介護士、義弟の元会計士、兄から派遣された屈強の若者・・・不自由な身体に鞭打って行動するヨハンソンだが、主治医の言うことを素直に聞くことは出来ないでいる。このことが重大な結末を迎えることになるのだが・・・

本書の肝は時効が成立した事件の犯人をどう処罰?するのかにかかっている。ヨハンソンのとった行動とは!?

アームチェア・ディテクティヴだが、リンカーン・ライムと違い松葉杖をついて動きまわることができ、かつての部下たちをあごで使う?元長官の存在と「心情」が際立つ。

さすがCWA賞、ガラスの鍵賞受賞作だ!


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オンブレ [book] ['18 海外編]

sample1.jpgエルモア・レナード/新潮社/お薦め度 ★★★★

西部劇

インディアン管理官、フェイヴァー、の急用に駅馬車を仕立てるメンデス。もちろん高額の報酬で・・・その駅馬車に同乗するのは、メンデスの部下、管理官の妻、17歳の少女、無理やり駅馬車に乗り込む男、そしてオンブレ(スペイン語で男)ことジョン・ラッセル。

途中から雲行きが怪しくなる。突然メキシコ人とふたりの男が現れ、駅馬車の馬と水、管理官がくすねた?金と妻を人質に奪い取る。さすらいの用心棒?ラッセルと無頼漢の男たちの戦いが始まる。

幼いころアパッチに育てられたラッセル、白人の血が入っている?にも関わらず白人と一線を画すクールさ、灼熱の太陽、乾ききった風景、無頼漢の男たち・・・最後の最後に待ちうける決闘。どれをとっても西部劇!

「ラッセルは何があろうと常にラッセルなのだ」。

もう一編収録されている「三時十分発ユマ行き」は短編だが、こちらも秀逸な西部劇!


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蝶のいた庭 [book] ['18 海外編]

sample1.jpgドット・ハチソン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

「コレクター」!?

<ガーデン>から助け出された若い女マヤ?の事情聴取と<ガーデン>での拉致生活が交互に語られる。

外界から隔離された温室?滝や小川があり蝶が舞う<ガーデン>、そこに十数人の女が軟禁されている。彼女らを誘拐してきたのは<庭師>とその長男だった。

FBI捜査官の質問をはぐらかすかすように寄り道しながら聴取は進む。マヤの偽名、1000ドルを払った、はイラーナ、本名は誰も知らない。

軟禁されている女たちは様々な<蝶>のタトゥーを庭師に彫られ、<ガーデン>になじめないもの、21歳を過ぎたものは<ガーデン>から抹殺される。

<庭師>、長男、次男の三人とかかわりを持つマヤ、そのなかで次男の行動を操ろうとする?マヤ、次第にマヤに翻弄される?次男、ふたりの駆け引き?がもたらす結末とは!?

先の見えない物語なんだけど、途中でやめることが出来ないサスペンス・・・

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ワニの町へ来たスパイ [book] ['18 海外編]

sample1.jpgジャナ・デリオン/東京創元社/お薦め度 ★★★★

シリーズ第一弾

主人公はCIA秘密工作員のレディング、先の任務で大暴れしたため組織から懸賞金がかけられるはめになる。長官の命令は長官の姪になりすましルイジアナの田舎町、人口250人あまり、に潜伏することだった。

長官の姪とは、元ミスコン、司書、趣味は編み物・・・どれをとってもレディングとは真逆!

町につくなりハイヒールをだめにし、保安官助手に目をつけられてしまう。おまけに老犬が住む家の裏の川で人骨を発見してしまう。その人骨は町で評判の悪い金持ちのもので、その妻は行方をくらましていた。

大人しくしていなくてはならないレディング、叔母の親友ガーディ、婦人会の会長アイダに焚きつけられ事件の真相を追うことに・・・

ここから三人によるドタバタが始まる。ミステリーとしては少々型破りではあるが、同類?の三人のチームワークの良さには驚かされる!

最後の最後に明かされるガーディとアイダの正体にびっくりさせられるが、それが逆に次作への興味をかき立てる。


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